Sufjan Stevens : The Age of Adz

ARTIST / Sufjan Stevens
TITLE / The Age of Adz
LABEL / Asthmatic Kitty
DATE / 2010
TITLE / The Age of Adz
LABEL / Asthmatic Kitty
DATE / 2010
Sufjan Stevensの新譜、この言葉が放つ崇高さは、僕たちが忘れてしまった原初的な美学の漲りを心に焚き付ける。僕らは彼に21世紀を任せたし、20世紀の様々な果たされ得なかった夢を彼に仮託した。彼という一個人に美学全体がキャストしたのだろう、この盤での彼はビートルズの4人が四分割して受けた期待のすべてが彼のひ弱な両肩に全てのしかかっている。そう、紛うことなき、これは21世紀のサイケである。精神などという、後期近代以降ありえもしない何それおいしいの?なコンセプトが、ふざけるなという濃度で押し寄せる。美しさ、整い、理性とはなんだったかを我々に問い直す問題作である。彼の美学的な拠り所は、もはや凡人の僕たちには推し量ることも難しい高さにまで高まってしまい、霞んで良く見えない。そう、その精神(サイケ)という言葉がそれでも呪術的に響くならば、ソウルといっても良いだろう。これは21世紀にありえたソウルの形である。そして、それすらもSufjanは否定する。20分を超える、この盤を締めるラストの曲"Impossible Soul"は、現世に下りてきて我々に語りかける。音楽は自由である。そして、自由とは醜いものだと。醜さとはつまり人間のそれであると。人間は音楽であると。
