Radiohead : The King of Limbs

ARTIST / Radiohead
TITLE / The King of Limbs
LABEL / XL
DATE / 2011
TITLE / The King of Limbs
LABEL / XL
DATE / 2011
Radioheadはゾンビである。彼らは死に終わったプログレッシブなRockを墓場から掘り起こし、エレクトロニカという紐を四肢に吊るして、あたかもRockが生きているかのような活き活きとした寸劇を我々に見せてくれた。それはゾンビのジルバである。そんな変質的な舞踏家集団であるRadioheadは、これから何をしなければならないのか。世界を変え終えた彼らに任されている仕事は、彼ら自身を更新するということだ。生かした(イカした)ゾンビをどうするのか、ということだ。一般的なレビューでは、RockからDubstepに近づいているとされる本作。Dubstepというものが何か、トロニカ以後の10年代に隆起した複雑なリズムセクションを特徴にもつ、ジャンルとされるが、このレビューではマイクロン・ベースと形容しておこう。この時に重要なのは、ベース成分がファジーになりながらグリッチしていくということだろう。00年代以後のアムビエントがRockのマナーを手に入れたということだろう。小刻みなリズムは、飛沫のように、水面を跳ね、音を立てて、つぶれていく。Nigel Godrichという、どんな素材も試合に仕上げる名プロデにかかれば、全体性は既に確保されている。まだ聞けるRadioheadにあなたは驚くだろう。彼らの音世界は、コーネルの箱のようなサイズ感へと縮小される。それはちょうど精密な都市地図を縮小コピーした時にできる、微細な区割りのフラクタルのような肌理である。死に損ないのゾンビが、もう一度墓場に入るまで、我々は面倒をみる必要がある。君もあの墓場のショーで笑った一人なら。
